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お粗末極まりない〈社会保険庁〉の件や、度重なる現役大臣の〈経費処理問題〉とか理不尽なことばかりとはいえ、だからといってそんなに睨むことはないだろ?


千魚一話「魚の諺・豆知識 か行」
『か』行

貝殻で海を測る
あさはかな知識しかないのに大きな問題を論じたり、判断したりすること。「大海を耳掻きで測る」、「貝殻で海を干す」も、出来もしない不可能なことを指す。「貝を以って海を汲む」も同様に、成し得ない無駄な努力のこと。

櫂は三年櫓は三月
櫂(かい)を自由に操るためには三年かかり、櫓(ろ)を動かすだけでも最低三ヶ月は辛抱しなければならない。何事も技術を身につけるには、それなりの期間と努力が必要だということ。ちなみに「甲斐路は寝て待て」は、見てのとおり漢字が違います。

カキ:牡蠣 Oyster
ほとんど魚介類を生食しない欧米人にも、古くから生で好まれた〈カキ〉。「海のミルク」と呼ばれ、バルザックやビスマルクが百個以上も一度にたいらげたという逸話も残っているほど、独特の美味しさを持っています。もちろん〈R〉の付く月の禁食は同じですが。

カジキ:梶木 Billfish
「カジキマグロ」とも呼ばれるが、マグロはサバ科、カジキはマカジキ科とメカジキ科に属する魚の総称で、マグロとは別種のもの。最上級品は〈マカジキ〉で、シロカジキ、クロカジキとともに旬は夏で、メカジキは冬です。

火事の話に逃げた鰻
火事の話と逃げた鰻(ウナギ)の話は、時間が経つとだんだん大きくなる。「逃した魚」も、同様である。

カツオ:鰹 Skipjack tuna
カツオ(戦に勝つ魚)は、その名のとおり「勝男」として縁起物に使われる。サバ科で典型的な紡錘形で、近縁種にソーダガツオとスマがいる。体側から腹側にかけての藍色の縞模様がはっきりしていて、エラブタが硬く、緑がかったものが新鮮。

鰹節と砥石の借り入れはない
どちらも使えば減るものだから、「借りる」といっても実際は貰う結果になるという例え。

鰹に酔う-①
江戸時代の〈カツオ〉の漁場は、小田原沖や鎌倉沖が主で、漁からの帰り船を三浦岬で押送船(おしおくりぶね)という高速輸送船が待ちうけ、急いで江戸の魚市場に運び、待ち受けた「棒手振り(ぼてふり)」が天秤棒にカツオを入れた桶を担いで売り歩いたようです。

鰹に酔う-②
この押送船は、葛飾北斎の富岳三十六景「神奈川沖浪裏」に描かれている八丁の櫓がある船で、房州沖の秋刀魚などの運搬にも活躍したようです。冷蔵庫も氷もありませんから鮮度が落ちるのも早く、刺身で食べると軽い食中毒をよく起しました。

鰹に酔う-③
「アタル」と言わずに、鰹に酔うとはいかにも江戸っ子らしい表現です。なお鰹の〈タタキ〉の起源は、昔四国の漁村で食中毒が蔓延したとき、「鰹の刺身食うべからず」の禁令が出て、そこで麦藁で表面を少し焼いて「焼き魚です」といって食べたのが始まりとか!

鰹はめでたい魚
カツオを縁起物とする習わしは、戦国時代にさかのぼる。天文六年の夏、相模の国の北条氏綱が小田原沖で釣り見物をしていると、舟に一尾のカツオが跳び込んできて、ここから「戦に勝つ魚」が舞い込んできた、その後出陣の際に「勝男武士(鰹節)」を、と。

郭公が啼けば鱒が溯り始める
青森地方で「郭公(かっこう)は百五にくる」といい、郭公が鳴き始めるのは大寒後の百五日目とされている。この計算でいくと五月四、五日になるが、例年五月二十日前後で、その頃サクラマスが海から産卵のために故郷の川に遡上し始める。

カニ:蟹 Crab
カニは世界中に五千種、日本の近海には千種いる。淡水以外に、食用として一般的なものは海産のガザミ(ワタリガニ)、ケガニ、ズワイガニ、タラバガニ(ただしタラバガニは、ヤドカリ類)など。ズワイガニは、産地によって松葉ガニや越前ガニとも呼ばれる。

蟹の甲は魔除け
その昔「蟹の甲は魔除けになる」として、門戸に掛ける風習があった。

蟹の死ばさみ
「カニ」は一度挟んだら死んでも螯を開かない。転じて、執念深い・欲が深い例え。

蟹の高這いは大雨になる
普段は低地の砂地などにいるカニが、高い所や家の中に這い上がって来るのは大雨になって低地が水浸しになる前兆という。

カニば食ってもガニ食うな
〈ガニ〉というのは、カニのえらのことです。食べても毒はありませんが、寄生虫や老廃物の恐れがあるので、いくらカニが美味しくてもエラまで食べてはいけないということ。ズガニの親爪の毛も同様で、味が沁みてるからと無闇にしゃぶらないように。

蟹(カニ)を食うなら手をよごせ
食事にはそれぞれのテーブルマナーがあるが、蟹は上品ぶって食べても美味くない。親譲りの五本箸が最高で、果物同様手も味も加えず、そのままが最高。そして食べるときは「蟹現象」(脚などを折ったり割ったり、肉をほじくって)で、ただ黙々と食べる。

カニは甲羅に似せて穴を掘る
カニは自分の体にふさわしい穴を掘って住んでいます。転じて身分相応に振る舞えということ。かつて日本人の仕事ぶりや生活をたとえるのに、〈エコノミックアニマル〉とか〈ウサギ小屋〉という言い方がありましたけど、いくらかは変わったのかしら?

蟹(カニ)の念仏
カニが口から細かい泡を吹き出す格好が、ブツブツと念仏をあげているように見えるから。

蟹(カニ)の横這い
他人には不自由に見えても、本人には一番いい状態のことです。

鎌倉に鰹も食べず三年居る
鎌倉の東慶寺は〈縁切寺〉、ここで三年過ごせば離縁できるのだが、そのためは生ものを食べず精進料理だけで過ごさなければならないらしい。そんな思いをするくらいなら、いまのままでも言いや。それくらいなら、我慢できそうだし…?

魳の焼き食い一升飯
新鮮なカマスを焼きながら飯を食べると、美味しくて限りなく食べられるという例えです。「鰯の焼き食い一升飯」ともいう。

カマトト-①
〈蒲魚〉と書く。「この蒲鉾は、オトトでできてるの?」と、ごく当たり前のことを知らない振りをして聞いたり、「わたしはウブなの」とばかりに振る舞う、主に女性を指す。知っているくせに、知らない振りをすること、またはその人を指す。

カマトト-②
蒲鉾の主原料は魚。蒲鉾と知りながら、「魚(とと)か?」と訊くことの俗語。逆に、知らないのに知ったか振りは「魚蒲(ととかま)」。なお蒲鉾は、蒲の穂(鉾)を半切にして板に乗せた形からきた名称で、竹輪(焼き竹輪)のほうがそのイメージに近い。

カマトト-③
一説には、その昔、鰻は裂かずに筒切りにして焼いたので蒲の穂のような焼き上がりで、「蒲穂子焼き」が縮んで〈蒲焼き〉になったのが「蒲焼(かばやき)」の由来。そして…と、あまり調子に乗って書きすぎると、〈魚蒲〉になってしまいそうで怖い?

カレイ:鰈 Righteye flounder
カレイ科の海水魚の総称で、四十種ほどが全国に分布しているといわれている。マガレイ、マコガレイ、イシガレイ、ヤナギムシガレイ、メイタガレイ、ナメタガレイなどが代表的。資質が100g中わずか2.2gという淡白な味が人気。

川口で船を破(わ)る
上陸寸前で船を壊してしまうように、物事が達成する直前に失敗すること。「磯際で船を破る」と同じです。

川釣りはひとり、海釣りは三人
安全面と釣果を考えたときに、川は「ひとり・一瀬」が理想であり、海釣りの場合、特に磯ではかなり危険が伴うので三人組がベストという意味。

川底を知らないで魚は釣れない
釣り情報を頼りに、鵜の目鷹の目で、ただ釣り歩いても釣れるものではない。釣りたい、釣りが上手になりたいと思ったら、その川なり場所に精通し、ポイントをよく掌握することが大事。その上で、釣りは魚に教えられるものでもある。

癇癪持ち
よく言われる、「釣りは気が短い人間のほうが釣れる」というのは当たっていて、こまめに餌や仕掛けを取り替えたり、糸のヨレを直したり…とはいうものの、気短どころか、釣れないからといって癇癪を起こしてはダメ。結果に関しては、気長に、根気よく待ったほうが勝ち。

寒鰤・寒鯔・寒鰈-①
ブリ・ボラ・カレイは、〈寒〉の季節が旬であるという諺。似た言葉に寒ブナ・寒ボラ・寒スズキという言葉もある。本来スズキは夏が旬なのですが、冬場になってハバノリを食べて磯臭さが消えるメジナやブダイ同様、寒い時期が美味しい。

寒鰤・寒鯔・寒鰈-②
鮒、鯉、そして鮪、鱸、靭(ウツボ)などもも、寒の時期が旨い。一方、「西の河豚(フグ)・東の鮟鱇(アンコウ)」ともいい、両者は冬の味覚の横綱とされている。寒というのは暦とズレがあり、春の彼岸までに漁れるものに「寒」がつけて罷り通るのが魚の世界。


『き』行

キス:鱚 Sillaginoid
〈真夜中や 鱚船くだる 隅田川〉と、ハゼとともに大衆釣りの双璧をなすといわれるキス。シロギスとアオギスの二種類あり、別名「海のアユ」。おろした身を千代結びにして祝い膳の椀種に用いる結びキスも、その名に由来している。

木に縁りて魚を求む
木に登って魚を求めるように、見当違いの実らない努力をする行為。 「畑に蛤掘ってもない」、「畑に蛤を求める」など、手段を間違えては目的は達成できない。また、見当違いの無理な望みをいう。「魚の木に登るが如し」とも。

岐阜の鮎・水戸の鮟鱇・明石の鯛
アユ、アンコウ、タイと、それぞれの魚の「日本一美味い!」とされる産地。

休日明けに大漁なし
さんざん釣り荒らされたあとは、魚はいても怯えて(あるいはスレて)餌を摂らない。物事には状況判断が大切。しかし、渓流魚は釣り方次第で、先行者の後でも十分に釣れる。むしろ、渓流釣りでは先行者の直後を釣って、それ以上に釣るのが上手といわれる。

京都の鱧は山で獲れる
ハモは、京(関西)の魚。生命力が旺盛で水を離れても長時間生きているために、山国の京都で珍重されてきた。輸送途中で逃げ出し路傍を這いずりまわるハモもいたようで、「山の芋変じて鰻となる」という言葉も生まれた。歯が鋭く〈食む〉が訛った呼び名。

京の生鱈
昔、京都では生の鱈(タラ)が入手できなかったことから、ありえないもの、あり得ないことの例えとして使われた。

魚腹に葬(ほうふ)らる
海や川で亡くなると、最後は魚などの餌になってしまうことから、〈水死〉のことをいう。特にシャコやカニなどは…ご想像に、いや、つまりそういうことですから、想像しなくていいです。店主

漁夫の利
当事者が争っているあいだに、第三者が利益を得ること。「ドブ貝」と「シギ」が争っているときに、そこへそっと近づいた漁夫が両方を捕まえたという故事から。

魚目燕石
似てはいるが、全然別なものをいう。〈魚目〉は魚の目、〈燕石〉は燕山から出る石のことで、どちらも玉に似ていることから。 似て非なるもの。偽物。「魚目珠に混ず」といえば「玉石混淆」のこと。また、魚目は「魚の目に似て両目の白い馬=名馬」とも。

金魚にボウフラ
好物を側に置いたのでは、気が許せないこと。また、取り合わせの悪いことの例。「猫に鰹節を預ける」、「猫に鰹節」とも。


『く』行

腐っても鯛-①
タイは、色・形・味と三拍子揃った魚類の王。だから少々腐ってもタイはタイで、やはり価値はある。転じて、本来優れた価値を持っている物は、例え悪条件や逆境に置かれても、その本質は失わないの意。「千切れても錦」、「熟(な)れても鯛」など。

腐ってもタイ-②
質の良いものは、少々傷んでもその本質は残っているという諺です。実際にタイの身は他の魚に比べると細胞が分解しにくいために、冷蔵庫で保存しておけば、ある程度日にちが経っても鮮度が落ちないといわれます。

鯨に鯱
どこまでもつきまとって、害を与えることの例えです。鯨(クジラ)を鯱(シャチ)が追いまわして、やがては喰らいつくことから。

鯨の子獲れて賑わう三里半(みさとはん)
一頭の鯨は七つの集落を潤すという諺があるのですが、子鯨はその半分の集落が賑わわせることができたという意味。

グチをこぼす
イシモチやニベという魚は、別名「グチ」と呼ばれるが、釣り上げたときに「グッ、グッー」と泣くような音を出す。そこから、不平不満をブツブツ漏らすことを指すようになった。

熊に山椒・鯉に胡椒-①
食べ合わせを嫌うもの。他に魚介類に関するものでは、「赤貝に土筆(つくし)」、「鰻に梅干」、「鰻に梅」、「鰻に梅酢」、「蟹と柿」、「蟹と氷」、「蟹に蕗」、「カラスミに蒟蒻」「ハタハタと南瓜」、「ハタハタと胡桃」、「鯉に猪」、「鯉に紫蘇」、「鯉に雉」…②へと続く。

熊に山椒・鯉に胡椒-②
「ゴマメに梅酢」、「鮭に海豚」、「鯖に南瓜」、「蛸に梅」、「田螺(タニシ)に蕎麦」、「蛸に夕顔」、「鯰(ナマズ)に牛」、「膾(なます)に冷や水」、「鮒に甘草」、「河豚に煤(すす)」、「蛸に西瓜」、「泥鰌汁に金つば」、「心太(トコロテン)に卵」など。

水母の風向かい
海に浮かぶクラゲが風に向かっていくように、強敵や運命に逆らって立ち向かおうとしても無駄という意味。「水母の行列」は、クラゲが勝手気ままに浮かんでいるように、きちんと並んでいないことを指す。

水母の骨
本来、水母(くらげ)に骨などない。そこで「川の石、星となる」と、あるはずがないことや、非常に稀にしか見られないことに例えていう。また、確固たる信念・主義主張がなくて、常に意見の動揺する人の例え。クラゲは、英語で〈ゼリーフィッシュ〉。

車は海へ舟は山
物事が逆さまであるということ。

ぐれはま
蛤(はまぐり)の四文字を、ひっくり返した言葉。蛤の殻は他の殻と合わず、逆さにするとますます食い違うことから、「ぐりはま」といい、物事が食い違うことの意。 話のわからない人にも使う。ジュクハラやブヤシは同類だが、ババやブクロはただ縮めただけ?

黒い石を釣れ
アユ釣りの、〈友釣り〉の際の鉄則。狙い目は、黒々と光沢があり、高さのある石で表面がすべすべしていれば最高らしい。店主は食べるだけで、その昔「狩野川」でバケツにあふれるほど捕まえたが、味わうどころか、うんざりした記憶しかない。

黒鯛は血を荒らす
黒鯛は歯が強く、小魚はもとよりエビ・ウニ・フジツボ・カニなど、なんでも食べる雑食性の魚。こういう悪食な魚を食べると血が荒れるといい、特に妊婦には食べさせない。いかもの食いを「黒鯛のような奴」と称する。味はよく、磯釣りでは「磯の王者!」。

君子の交わりは淡きこと水の如し
大人物の交際は水のように淡白であるが、友情は永久に変わることがないという例え。

か行 後半へと続く


  
「暮らしの中のことわざ」創拓社、「故事、ことわざ辞典」東京堂出版、「故事、ことわざを使いこなす事典」日本実業出版社、「広辞苑」岩波書店、「ことわざ辞典」岩波書店、「ことわざ便利辞典」日本実業出版社、「日本語大辞典」講談社、「魚、肴、さかな事典」大修館書店、「さかな小辞典」共立出版、「新明解 故事・ことわざ辞典」、「全訳読解古語辞典」三省堂、「使えることわざ」日本語表現研究会編、「釣りと魚のことわざ辞典」東京堂出版、その他。

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千魚一話「魚の諺・豆知識 か行」
by mitsu-akiw | 2007-07-15 09:00 | 千魚一話「魚の諺・豆知識」
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